2019年3月期 報告書
2019.06.28 | 第38期 報告書 |
株主の皆様におかれましては、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ここに、当社第38期報告書をお手許にお届けするにあたり一言ご挨拶申し上げます。
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益の改善で緩やかな回復基調となりましたが、米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱問題などで世界経済が減速、不透明感が高まっております。個人消費につきましても、雇用環境の改善はみられるものの、消費は力強さを欠き一進一退が続く状況となりました。
ワーキング・ユニフォーム業界におきましては、東京オリンピックに伴う建設需要増加で堅調に推移する一方、中国など海外生産地の人件費や原料費の高騰、また、国内では人手不足による物流費の上昇などコストアップ圧力が強く、厳しい環境が続いております。
このような状況の中で当社は、「高機能×低価格」をコンセプトにアウトドア、スポーツなど一般のお客様も意識した新業態店「ワークマンプラス」を出店、潜在顧客の発掘を図りました。これが多くのマスコミにも取り上げられ、既存店の客数、売上アップに大きな効果をもたらしました。
商品では、主力3ブランド(「FieldCore」、「Find-Out」、「AEGIS」)など高機能低価格をさらに追求したPB(プライベートブランド)を開発、また、台頭するネット販売にも十分な競争力を持つ作業服(G-NEXTシリーズ)の強化を進めました。これによりPB商品は1,022アイテムとなり、チェーン全店売上高構成比は39.7%(前期比7.5ポイント増)になりました。
販売面では、テレビCM、全国紙への広告掲載、メディア・ブロガー向け製品発表会の開催など、ワークマンプラスやPB商品のアピールを積極的に行いました。ワークマンプラスの関西初出店となる「ららぽーと甲子園店」オープンに合わせ、既存店3店舗をワークマンプラスに改装、さらに周辺104店舗でイメージパネルやマネキンの設置など小規模改装を行って「ワークマンプラス」効果を波及させるなど、一般のお客様に対してワークマンの認知度を高める施策を実施しました。これにより女性客や家族連れのお客様の来店が大幅に増加しました。
店舗展開では、ワークマンプラス店のショッピングセンターへの出店3店舗、路面店としての出店6店舗、従来型ワークマンの出店10店舗で、合計19店舗を出店。スクラップ&ビルド2店舗、契約満了による閉店3店舗で、2019年3月31日現在の営業店舗数はフランチャイズ・ストア(加盟店A契約店舗)が前期末より42店舗増の734店舗、直営店(加盟店B契約店舗及びトレーニング・ストア)は前期末より26店舗減の103店舗で、長崎県への初出店を加え45都道府県下に合計837店舗となりました。
この結果、当事業年度のチェーン全店売上高は930億39百万円(前期比16.7%増、既存店前期比14.0%増)となりました。また営業総収入は669億69百万円(前期比19.4%増)、営業利益135億26百万円(前期比27.6%増)、経常利益147億55百万円(前期比24.5%増)、当期純利益98億9百万円(前期比25.1%増)となりました。
運営形態別の売上高につきましては、フランチャイズ・ストア834億44百万円(前期比17.4%増、チェーン全店売上高構成比89.7%)、直営店95億95百万円(前期比11.5%増、チェーン全店売上高構成比10.3%)となりました。
今後の見通しにつきましては、海外では中国の景気減速や通商問題の動向、国内では全産業で慢性的な人手不足が問題となっており、楽観視できない状況が続くと思われます。個人消費につきましても、消費税増税を控え購買意欲の低下が懸念されます。
このような環境の中で当社は、ワークマンプラスを全国の主要都市へ出店を拡大し、既存店へ波及効果を高めるとともに、高機能と低価格を兼ね備えたアウトドア・スポーツブランドの製品開発で新規顧客の開拓を図ってまいります。また、メディア・ブロガー向け新製品発表会開催や出店エリアへ告知型のテレビスポットCMを放映など、プロモーション活動を推進し個店売上の向上に取り組んでまいります。
店舗展開では、鹿児島県への初出店とワークマンプラスの出店及び既存店の改装を進めてまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。